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はっぴーくろーばー日記

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子育て応援サークル「ハッピークローバー」のブログです。子も親も先生も、み~んな笑顔で幸せにな~れ!生きてることが「ハッピー」だ!

得たものと、失ったもの。

長々と、ご無沙汰しておりました。3か月・・・。

この間、季節は巡り、雪が積もりそうなころから桜が舞い散る暖かな季節へと変わりました。

3か月で、いろんなことがありました。

momoは、小学校最後の数か月間を、毎日愛おしむようにすごし、ついに卒業の日をむかえました。
3学期からは、卒業に向けての「プロジェクト」がいろいろあったらしく、6年生の子どもたちは校内遊具の色をきれいに塗り替えたり、タイムカプセルや文集の準備をしたり、自分たちで料理を用意して一日カフェを開店し、先生方をご招待したりして、忙しいながらも充実した日々を送っていました。
momoも、仲間たちと一緒に卒業プロジェクトを遂行?することを楽しんでました。

ただ、今年に入ってから、月1回のペースで体調を大きく崩し、入院する事態となりました。原因は、おそらく「誤嚥」。飲み込みそこなった食べ物や唾液が肺に入り込み、炎症を起こしていたのです。もともと、食べることがあまり上手ではなかったmomoですが、身体が成長するにしたがって筋力も増し、その分飲み込む筋肉がバランスを崩してますます上手に動かすことが難しくなっていったのかもしれません。それに、気管に異物が入り込んでも、感覚が鈍ってきていてそのことに気付きづらくなっていたようです。

2月に入院したとき、病院の先生から、「気管切開」の手術を勧められました。呼吸することが難しくてうまく酸素を取り込めない場合に、のどに管を入れて呼吸を楽にしてやる方法です。momoの場合、そこからさらに状態が悪いので、食道と気管を完全に分離する「喉頭気管分離手術」という方法を取るそうで、この手術をすると、声を出すことがまったくできなくなるのです。 

声が出ない・・・

このことが、momoにとってどれだけつらいことだろう?
momoは、何か具体的に言葉を発することはありません。声をだすことも、一日数回あるかどうかで、声で何か意思表示をはっきりとすることはあまりない。少なくとも、今の時点では。と、思います。

でも。

これから先、中学校に入学し、心も大きく成長する中で、共に過ごす仲間たちに伝えたいことがたくさん、たくさん出てくると思います。その時に「声が出る、伝える手段がある」ということがmomoにとってどれだけ大切なことだろうか。逆に、声を失ってしまうことが、どれだけつらい苦しいことだろう。それは、momo本人にしかわからない。それでも、気持ちを伝える手段をあまり持たないmomoにとって、声はきっと貴重な意思伝達手段。もしかしたら、あいさつや返事は声でできるようになるかもしれない。

そう考えると、声を失うということは、まったく考えられませんでした。

少なくとも、その時点では・・・


卒業式も無事に終わり(このことは、また改めてご報告します。とっっっても素晴らしい式でした。)、張りつめてきた気持ちが緩んだのか、式後一日経って、momoは高熱を出し、入院しました。入院時点ではそれほど重症ではないかと思っていたのですが、日に日に具合がわるくなり、呼吸は苦しく、熱は連日40度超えでした。2月の入院時点では、気管切開の手術は考えられない、momoはまだ大きくなるし、成長すれば抵抗力も増してくれるかもしれない、とは思っていましたが、心の奥では、あと一度、入院するような事態になれば、考えなくてはならないと覚悟もしていました。
ずっとお世話になっていた小児科の先生が話をしに来てくださいました。momoの誕生直後、5年前の病気の時、そのたびにmomoの命を救ってくださった先生です。この先生から手術を勧められたら、もう考えようと思っていました。先生は、「自分は、手術とかめったに勧めない。でも、今のmomoちゃんの様子を見ていると、もう必要な手術なのかもしれないと思う。確かに声は永遠に失ってしまうけれど、それ以上に、得られるものは大きいと思う。誤嚥して体調を崩すことはなくなるし、入院することも減るだろう。なにより、家族と一緒に自宅で過ごし、学校にも今以上に安心して行けるようになる。momoちゃんにとって、確実に生きやすくなる」と言われました。そして、「ここまで大きくなったんだから、、これから先は少し楽に生きていける道を選んであげた方がいいかも」とも。
その言葉を聞いたとき、何かが溢れ出すようにこみ上げました。

そうだ。momoにとって、と思っていたことは、そうじゃなかったんだ。

私たち親にとって、momoの声を失うことが耐えられなかったんだ。momoは、もうずいぶん前から覚悟して、自分の命、未来について考えていたのかもしれない。前回入院した時、momoに「声を失うかもしれない手術をしても、いいの?」と聞いたら、はっきりと「いいんだ」とまばたきで返事を返してくれていた。それなのに、私は自分がmomoの声を聴けなくなることが怖くて、momoの返事を受け止められなかった。
これからもっともっと元気で、学校にもいっぱい通って、仲間たちと充実した毎日を送るために、momoは、自分の中で必要なものと、そうでないものをきっぱりと決めていたのです。

そうだよね。これからもっともっと、よりよい命を生きられるように。


3月28日、momoは、喉頭気管分離手術を受けました。呼吸はもう限界に近づいていたとのことです。
手術後、集中治療室で、今まで見たこともないようなピンク色の唇をしたmomoに会いました。
ずっと、苦しかったんだね。頑張ったね。


momoの友人たちには、こんな究極の選択をしながら、自分の命と向き合っている子たちが沢山います。
みんなみんな、これからもずっと、よりよい命を生きられますように。


久しぶりの更新なのに、長い文で、すみませんでした・・・
by hapikuro | 2013-03-31 00:39 | 日々のいろいろ

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